2018.7.11

カテゴリー │四代目雑記

2018.7.11
一番左が私の師匠「宇保さん」。

船大工は一子相伝ですか?

よく聞かれます。

弟子入り志願者が居たら可能ですか?

これもよく聞かれます。

答えはどちらとも言えずですかね。

私個人的には俄かはあまり好きではないので

中途半端が残るくらいなら滅びる事もありかなとは

思いますが、その考え方の根底にあるのが

今現在越來造船が船大工の家計として

存続できているという自信。

さて、前述の問い。

一子相伝か?ですが、

これは結果一子相伝になっているということです。

船を造るのは注文があって成り立つこと

つまり生業です。

仕事なんです。

船を造って陳列しておいてそこから選ぶスタイルだと

売れ残りは大赤字なので

注文を受けた船を

すばやく造るほど黒字。

手元に割いている時間は赤字の時間。

自分の子供だと仕事が終わっても

ずっと一緒にいるので

仕事時間外で教えられるし

子供も自然と棟梁の頭の中が見えてくるようになります。

これが他人だと

仕事の最中にあれこれ指示しなくてはいけない。

全てがそうだとは言いませんが

合理的にやった結果一子相伝に落ち着いたということです。

後者の質問も同様に

弟子入りをそれこそ住み込みしてまで

船に携わりたいという人間が居るならば可能ですが

最初はそう言っても最後は結局ついて来れないというのが

今までの大半です。

木造船船大工という稼業が難しい昨今。

弟子入りというのも同じように難しいんです。

甘くない。

越來造船が現在も残っている一番の理由

「妥協をしない船造り」

どれだけ妥協せずに船に取り組めるか。

妥協しない。

赤字にならない。

これらを考えたときに

色々な問題が浮き彫りになるんですね。

いやーホント後継者問題。

妥協して大量に売ったところで

結果尻すぼみになるのは残念ですよね。

2018.7.11ゴエクゾウセン横
四代目 ゆーき



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