越來造船ブログ

波。

北風吹いております。

梅雨に入ったそうなのに。

晴れている上に北風吹いて

日陰だとなんだか寒い平安座です。

サシガネという道具があります。

「船大工の命です。これが無いと造れません」

と何時ぞやの取材の時に言いました。

で、

ある作業中にサシガネどこ置いたっけかと探していると

笑いながら

「命だったのでは!?(笑)」

と突っ込まれました。

いや全然悪意はない寧ろ好意的な

ほんわかした感じだったのですが

そこでは敢えて言いませんでしたが

ここで言いましょうかと。

サシガネは命。

それは道具としての要ということ。

例えばサシガネを曲げて使った結果

良い船ができるのならば喜んでサシガネを曲げましょう。

サシガネを曲げる場面なんて皆無ではありますが、

サシガネがまきはだ(外板の隙間に打ち込む縄状の木の皮)

を打つのに丁度良かった場合

サシガネがだめになろうと全然打ちますよ。

良い船ができるならばね。

というのが「船大工の命」ということです。

道具の本懐、ひいては船大工の本懐だと

私は思うのであります。

と言ってもサシガネは大切に使いますけどね。

「船大工の命」

どう解釈するかではなく、

私に聞く場合は上述の解釈希望です。

何度も書きますが全然悪意は無い

取材者様でした。

私も皮肉や批判的に書いたのでは

ありませんですよ!!

寧ろ突っ込んで頂いてなるほど

そういう解釈かと言葉足らずを痛感した次第で

この記事に至るところであります。

四代目　ゆーき