2018.3.9

カテゴリー │四代目雑記

2018.3.9
左利き。

我等が棟梁である三代目は左利き。

私、四代目は右利き。

これは大きな利点です。

棟梁が右舷の作業しているとき、

私は左舷の作業をできる。

作業できる場所が重ならないので、

私が戦力になると割りと仕事がし易い。

逆に私が戦力になるまでは

左利きの作業を右利きの私が見て覚えるのが大変。

これはほんと大変でした。

こんなお話しがあります。

私が弟にのこぎりを教えようとしたとき、

持ち方を逆に持ってのこぎりを使った弟を注意したとき

「お父さんはこう持っていたから」

と反論されました。

とっさに思い出したのが私が

二代目の祖父に昔した質問

「鉋は右手と左手どっちを前にして持つの?」

あの屋慶名で進貢船の舵を造るときのあの風景を

ふと思い出したんですよね。

そのときの二代目の答えがこちら

「好きな方」

つまり私がやり易かったらどっちでもええがね。

ということ。

これが越來家の考え方の根幹にあります。

やり易いんならそっちの方がいい。

ただし、

やり易い方をやるならそれなりの成果を出せるように

しないといけんよ。とはなりますがね。

なので弟に言いましたよ

「んじゃそっちが正解だな」

兄弟子の私が師匠の持ち方を見て

それを学んだ弟弟子に注意するわけにもいかず

でも恐らく弟もあのまま大人になって

今の私くらい経験を積んだら

やっぱ右利きはあっちの方がやり易いし

やり易い理由があるわなー。

と自ずと気付いたと思うんですよね。

私もいっぱいそういう経験を経てきたし。

これが弟子の楽しみです。

若い頃いっぱい師匠を真似て、どっかで否定して

自分がいざ経験を積むと

「師匠言ってたじゃん!!」

本当そういう「気付いた時」ってのは

仕事しながらニタニタしてますよ。

今は亡き弟は最早私に一生追いつく事はないですが

ポテンシャルは私のそれとは比べ物にならないほど

凄い男でした。

と回顧する。

弥生の九日。

2018.3.9四代目 ゆーき



同じカテゴリー(四代目雑記)の記事
5月2日の記事
5月2日の記事(2024-05-02 17:47)

5月1日の記事
5月1日の記事(2024-05-01 17:36)

4月30日の記事
4月30日の記事(2024-04-30 17:55)

4月29日の記事
4月29日の記事(2024-04-29 18:53)

4月28日の記事
4月28日の記事(2024-04-28 18:01)

4月27日の記事
4月27日の記事(2024-04-27 17:42)


 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。